裁き


「……次は誰が来るんだろう?ま、僕が全部倒しちゃうけど。」
 少年が独りで、つぶやいている。周りにはしみ一つない、真っ白な空間。
 その空間が、歪んだ。
「あら、来たみたい。まあいいや、相手してあげよ。」
 その言葉には余裕の表情が見える。彼は一度も負けたことがない、いや傷付いた事がない。どんな敵に対しても一撃必殺の技で、"殺した"。
「ようこそ、2132159人目の挑戦者さん。」
「君が、"アキ"くんだね。君に会えるのを待っていたよ。」
「え……どうして僕の名を…──うっ」
 "挑戦者"は少年が自分の名前を言われて驚いている隙を狙って蹴りを入れた。少年は不意を突かれ、血を吐いた。
「ボ……ボクに攻撃をしたな……」
 少年は大剣を抜き"挑戦者"の腹部目がけて一斬り。いつもだったら命中して(しんで)いるのに、振り返ると"挑戦者"は何事もなかったかのように、立っていた。
「な……なんだって……僕の攻撃が外れるなんて……」
「自分を過信したおろか者よ……、くらうがいい。天の裁きを……」
「え……あなたはもしかして──」
 少年が最後まで言う前に、少年の命は散った。
 いや、ある神の裁きで消え去った。
 後には何も残っていなかった。いつのまにか挑戦者であった女性も消えていた。
 唯一、少年の剣だけが残された。剣は床に、突き刺さっていた。


(C)Echigawa karasu 2007

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